“お得”で動く人がいなくなった時代。残ったのは、“共感で買う人”。

2025/10/08

「10月限定キャンペーン」──
その言葉を打ち込んだあと、投稿ボタンを押す指が止まった。

前は、この言葉でお客様が動いた。
「お得ですね」「今がチャンスですよね」と言ってくれた。
でも今は、反応ゼロ。

予約カレンダーは真っ白のまま。
夜、サロンの照明を落とす瞬間の静けさが、いちばん怖い。

私はその恐怖を隠すように、またキャンペーンを打った。
20%オフ、プレゼント付き、期間限定。
それでも、反応はゼロだった。

心のどこかでわかっていた。
“お得”の言葉が、人の心を動かす時代は終わった。

数日前、カフェで同業の女性が呟いていた。
「もう、“お得”って言葉に疲れたよね」
その一言に、胸が締めつけられた。

私たちはいつの間にか、「値引きで信頼を削る」ことをしていたのかもしれない。

その夜、スマホを開き、過去の投稿を遡った。
「先着3名様」「特別キャンペーン」「今だけ」──。
どれも、どこかで見たような言葉ばかり。

“私らしさ”なんて、どこにもなかった。

翌朝、私は初めて“本音”を書いた。

「最近、心が疲れている方が多いように感じます。
そんなときこそ、がんばらないケアをしてほしいんです。」

その投稿には、値段も、期間も、特典もなかった。
けれど、コメントがついた。
「読んで涙が出ました」
「まさに私のことです」

そして、その週。
3件の予約が入った。

気づいた。
人は“得”では動かない。
 “分かってもらえた”で動く。
昔は、“安い”が正義だった。
今は、“信頼”が通貨になった。
そして信頼は、共感からしか生まれない。
今のSNSは、冷たいようで、実は誰よりも温度に敏感だ。
数字よりも、「この人は信じられる」と思えるかどうか。
その一点で、反応率がまったく違う。

私は今でも、迷うときがある。
「これで本当に売れるの?」って。

でも、思い出す。
“お得”で集まった人は、“もっとお得な場所”へ行く。
“共感”でつながった人は、
“あなたの手”を探して戻ってくる。

だから、もう値引きで戦うのはやめよう。
言葉で、温度で、信頼で、つながろう。

そして、もしあなたが今「発信しても反応がない」と感じているなら、
それは“冷たさ”のサインかもしれない。

少しでいい。
ほんの一言、温かくしてみよう。

たとえば──
「今日も、お客様の笑顔に救われました。」

それだけで、誰かの心が動く。
そしてそれが、次の予約の始まりになる。

あなたの言葉には、温度がありますか?

#美容サロン集客 #共感マーケティング #価格競争からの卒業 #SNS発信

プロフィール

黒岩倖光(くろいわ ゆきみつ)

テクノロジーセラピスト
⚫︎やっていること
AI・スマホ・タブレット・パソコン活用指導
WEBマーケティングコンサルティング
社長の頭に汗をかくマーケティング勉強会
個人商店・医院・サロン向けショート動画・ライブ配信支援
⚫︎こんな人に届けたい
アイデアはあるがどう伝えれば良いかわからない
良い商品を扱っているのに、なかなか売れない
人前に出て自分を売り込むのが苦手だ
儲けることに罪悪感があって行動ができない
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