朝、メルマガの開封率を見て、手が止まった。
先月より17％下がっている。
同じ内容、同じ頻度。
でも、何かが冷えている。

──数字の問題じゃない。
心の温度が、確実に下がっている。

10月。
ハロウィン色に染まったタイムライン。
オレンジの光、黒い背景。
“限定キャンペーン”“今だけ割引”──どこも盛り上がっているのに、
投稿の反応は減っていく。

ストーリーの既読はつく。
でも、DMはこない。
“既読スルーの沈黙”が、まるで冷気みたいに画面から流れ込んできた。

それは、もう気温のせいじゃない。
読者の心理温度が下がっている。

人は、寒くなると守りに入る。
新しい情報より、“安心できる人”を求める。
つまり、同じメッセージでも“温度”が変わるだけで、反応は真逆になる。

ほんの3℃。
その差でクリック率は半分になる。

数字の話じゃない。
人の話だ。

あなたも、感じたことがあるはず。
昨日までは笑顔で「いいね」してくれた人が、
今日は何も反応してくれない──そんな静かな変化を。

9月の投稿は、まだ太陽の残り香があった。
「頑張ろう」「チャレンジしよう」という言葉に力があった。
でも10月、それが“重く”響くようになる。

秋風が吹くと、人の心は静かになる。
派手な言葉は、かえって遠ざけてしまう。

だからこそ、10月の発信に必要なのは
“温める力”だ。

あるお客様が言った。
「最近の投稿、なんだか優しくなりましたね」

その一言で、私はハッとした。
開封率を上げることばかり考えて、
“人の心の季節”を見ていなかった。

その日から、書く前に一つだけ自分に問うようにした。
──“この言葉、今のあの人にとって心地いいだろうか？”

たったそれだけで、
反応が戻った。
数字も、空気も、あたたかさも。

「発信力」とは、“季節に合わせて言葉の温度を変えられる力”だと思う。
9月は太陽のように照らし、10月はランプのように灯す。
熱さではなく、温もりで届く言葉。

それが、信頼をつくる。
それが、クリックを生む。

読者の心理温度が3℃下がると、クリック率は半分になる。
でも──
その3℃を取り戻せるのも、あなたの言葉だけだ。

もし、今日この投稿が少しでも心に残ったなら、
あなたも“温度を測る発信者”でいてほしい。
季節の変化に負けない、信頼の火を灯して。