お客様は“紅葉”を見て、あなたの商品を思い出す。

2025/10/18

朝、サロンを開けるたび、カレンダーの白いマス目が目に刺さる。

予約表の空白が、少しずつ広がっていく。

秋の風が吹くたびに、
私の心の中も、少しずつ冷たくなっていった。

ある日、店の前の木が赤く色づき始めていることに気づいた。
風に揺れる葉が、太陽の光を受けてきらめいている。
その一枚が地面に落ちた瞬間、ふと頭をよぎった。

「あの人も、今ごろこの空を見てるのかな。」

そう思ったら、不思議と胸の奥が熱くなった。

最近、投稿しても反応が薄い。
LINEの既読は増えるのに、予約は動かない。
“このまま冬を迎えるのが怖い”──
そんな焦りを抱えながら、去年の投稿を見返していた。

派手なキャンペーン、限定割引。
そのどれもが、いま見ると“自分を守る言葉”だった。

でも、一つだけ違う投稿があった。

「外に出たら金木犀の香り。
去年もこの香りの中で、大切なお客様と笑っていました。」

その投稿だけが、驚くほどコメントをもらっていた。

思い出した。
あの時、私は“売るため”じゃなく、“感じたまま”を書いた。
そしてその日、久しぶりに予約が入った。

お客様は、キャンペーンよりも“人の心の温度”を覚えている。
紅葉を見て、ふと思い出すのは“商品”じゃない。
その季節にかけてもらった言葉、
感じた香り、笑い声。

マーケティングの本には書いていない。
けれど、季節は最強の記憶装置だ。

人は五感のどこかに「誰かと過ごした秋」を刻んでいる。
だから、あなたが語る秋のひとコマが、
誰かの心に“再生ボタン”を押すことがある。

紅葉を見て、あなたを思い出す人がいる。
その瞬間、売り込みではなく“つながり”が生まれる。

完璧な言葉はいらない。
大切なのは、“感じたままを切り取る勇気”。

たとえば、
「サロンの前の落ち葉を掃いていたら、金木犀の香りがした。」
その一文だけで、人はあなたの世界に引き込まれる。

静けさの中にある“感情の余白”が、信頼を生む。
だからこそ、発信を止めてはいけない。
沈黙は、記憶の消去だ。

季節が巡るたびに、思い出してもらえる存在になるには、
“販促”より“物語”を残すこと。

紅葉は、手放す美しさの象徴。
その赤は、誰かに届いたあなたの温度でもある。

今年の秋、あなたはどんな色を語りますか?
あなたの言葉で、その色を見せてください。

#秋マーケティング #共感ストーリー #信頼で売れる時代 #美容サロン経営

プロフィール

黒岩倖光(くろいわ ゆきみつ)

テクノロジーセラピスト
⚫︎やっていること
AI・スマホ・タブレット・パソコン活用指導
WEBマーケティングコンサルティング
社長の頭に汗をかくマーケティング勉強会
個人商店・医院・サロン向けショート動画・ライブ配信支援
⚫︎こんな人に届けたい
アイデアはあるがどう伝えれば良いかわからない
良い商品を扱っているのに、なかなか売れない
人前に出て自分を売り込むのが苦手だ
儲けることに罪悪感があって行動ができない
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