新規0でも売上が伸びる人の共通点。

2025/11/04

予約帳が真っ白になった日のことを、今でも覚えている。
静かなはずの店内で、時計の針の音だけがやけに大きく聞こえた。
“焦り”って、音になるんだと思った。

「このままじゃ、終わる」
そう感じた瞬間、私は“何かを足すこと”しか考えられなくなった。
広告を出し、LINEを送って、キャンペーンを打った。
けれど反応は、静かだった。

──ようやく気づいたのは、その沈黙の理由だった。
新しいお客様を探す前に、
“今までのお客様”との信頼を置き去りにしていた。

半年ぶりに、常連さんのLINEを開いた。
最後のメッセージは「また落ち着いたら伺いますね。」
その“落ち着いた日”は、訪れていなかった。

私は一通のメッセージを送った。

「お元気ですか?急に寒くなりましたね。
肩の調子、また出てませんか?」

売り込みではなく、ただの気づかい。
それだけだった。

でも返ってきた返信は、こうだった。

「ちょうど痛くなってたんです!タイミング良すぎてびっくりしました!」

たったそれだけで、
沈黙していた信頼が、息を吹き返した。

売上は、“信頼の速度”で決まる。

信頼には温度がある。
冷めたら、温め直せばいい。
けれど、放っておけば凍ってしまう。
凍った関係には、どんな広告も届かない。

焦って“拡散”するより、
“思い出される人”になる方が、ずっと強い。

あるセラピスト仲間が言っていた。
「最近、何も売ってないのに予約が埋まるのよ。」
その理由は、毎月の“ありがとうメール”だった。

「また行きたいな」と思わせるのは、
“割引”ではなく、“記憶”だ。

売れている人は、出すタイミングを競わない。
止まる勇気と、待つ信頼を持っている。

11月は、“思い出される季節”だ。
街も気温も変わる中で、
人の心は“懐かしいもの”に戻っていく。

もし、あなたが焦って新規を探しているなら、
いちどスマホを閉じて、過去のメッセージを開いてみてほしい。

そこに、
あなたの未来の売上が眠っているかもしれない。

あなたが最後に“思い出したお客様”は、誰ですか?
その名前を思い出せた瞬間、
もう一度、信頼が動き出す。

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プロフィール

黒岩倖光(くろいわ ゆきみつ)

テクノロジーセラピスト
⚫︎やっていること
AI・スマホ・タブレット・パソコン活用指導
WEBマーケティングコンサルティング
社長の頭に汗をかくマーケティング勉強会
個人商店・医院・サロン向けショート動画・ライブ配信支援
⚫︎こんな人に届けたい
アイデアはあるがどう伝えれば良いかわからない
良い商品を扱っているのに、なかなか売れない
人前に出て自分を売り込むのが苦手だ
儲けることに罪悪感があって行動ができない
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