「まだ空いてます…」が命取り。年末の追い込みで崩れる人の“危険な一言”とは?

2025/12/12

カレンダーの隅に書き込んだ数字を見て、胸の奥がぎゅっと固くなる。
今年もあと少し。
なのに予約表だけが、ぽっかり穴のあいたまま静かに呼吸しているようだった。

今日、その穴を埋めたくて、指が勝手に動いた。
そして言った。

——「まだ空いてますので…」

送信した瞬間、心臓が跳ねた。
あ、この一言、やってしまった。

言ってはいけないと知っていたのに。
年末になると、どうして人はこんなにも弱くなるのだろう。

去年の12月、私はそれで地獄を見た。

当時の私は、毎日数字に怯えていた。
売上計画、家計、来年の不安。
スマホを見るたびに、胸がざわついた。

そしてある夜、追い詰められた私は、
“空き状況”を必死にアピールするDMを送った。

「今ならすぐご案内できます」
「ご都合合わせます!」
「よければ年内に…」

内容を読み返してわかった。
これはお客さまへのメッセージじゃない。
これは、私の不安を押しつけているだけだ。

返ってきたのは丁寧な断りの一行。

「またタイミング合えばお願いします」

その言葉の裏にある「今じゃない」は、
自分でも怖いほど鮮明に感じた。

あの瞬間、痛烈に気づいた。

“空いてます”はお知らせではなく、価値の暴落だ。

相手は忙しい。
相手も不安を抱えている。
そんなときに、こちらの焦りが少しでも混ざると、
お客さまの脳は一瞬で“危険信号”を灯す。

「人気ないの?」
「技術、大丈夫?」
「なんでこんな時期に空いてるの?」

言葉にはしない。
でも、心の奥では確実にそう感じてしまう。

年末ほど、“言葉の選び方”に残酷なほど差が出る季節はない。

売れる人は、
たとえ焦っていても「相手の心」に触れる一文しか使わない。

売れない人は、
焦りながら“自分の事情”を書いてしまう。

この差は、技術でも才能でもない。
ただ “目線” の違いだけ。

例えば、売れる人はこう言う。

「今年がんばった肩、そろそろ限界きていませんか?」
「寒い日が続きますね、体調いかがですか?」
「忙しくなる前に、少しほぐしておきませんか?」

ここに“空き状況”は一文字もない。
あるのは相手の景色だけ。

だから読んだ人は、
「この人なら任せてもいいかも」と自然に感じる。

一方で、売れない時期の私はこうだった。

「キャンセル出ました」
「すぐ入れます」
「今なら割引も…」

全部“自分の事情”。
読んだ人の心に届くはずがない。

あの日から私は、
年末に二度と“焦りの言葉”を使わないと決めた。

代わりに、
たった一つだけ心に刻んだことがある。

それは——

「人は“余裕のある人”に安心を感じる」

たとえ余裕なんて一ミリもなくても、
言葉だけは絶対に焦らせない。

なぜなら年末の人間は、
“追い込まれている人から距離を置く”心理を持っているから。

これが恐ろしいほど現実を左右する。

去年の私が地獄を見たのも、
“焦りの匂い”を言葉から出したからだった。

焦りは文章のスキマから漏れる。
余裕は文章の呼吸に宿る。

そしてどっちを選ぶかで、
12月の売上は静かに分岐する。

最後に、今年の自分に言い聞かせている言葉を残したい。

「焦りは魅力にならない。
 余裕が、信頼と予約を連れてくる。」

この一文に、私は何度救われたかわからない。

あなたもきっと救われるはずだ。

さて——
あなたは今年、どちらの言葉を選びますか?

プロフィール

黒岩倖光(くろいわ ゆきみつ)

テクノロジーセラピスト
⚫︎やっていること
AI・スマホ・タブレット・パソコン活用指導
WEBマーケティングコンサルティング
社長の頭に汗をかくマーケティング勉強会
個人商店・医院・サロン向けショート動画・ライブ配信支援
⚫︎こんな人に届けたい
アイデアはあるがどう伝えれば良いかわからない
良い商品を扱っているのに、なかなか売れない
人前に出て自分を売り込むのが苦手だ
儲けることに罪悪感があって行動ができない
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