「あなたが最後に、自分のケアを“後回しにした日”はいつですか?」
最近ふと、鏡を見るたびに胸がざわつくようになった。
自分でも理由がよくわからなかったけれど、今日、その正体に気づいてしまった。
それは“疲れ”でも、“肌の調子”でもなかった。
もっと深い、静かだけど恐ろしい感覚。
「自分のケアを後回しにしている」という罪悪感だった。
そしてその罪悪感は、予約がゼロになったサロンの静けさと見事にリンクしていた。
◆ 最後に自分の肌にちゃんと触れたのは、いつだっただろう。
お客様には
「無理しないでくださいね」
と笑顔で言えるのに、
その言葉を一番必要としていたのは間違いなく私自身だ。
ここ数日、
鏡を見るたびに
「なんだかくすんで見える気がする」
という小さな違和感があった。
でも忙しさを理由に、その違和感を押し流し続けた。
小さな“見て見ぬふり”が積もると、
気づいた時には、自分の表情がどこか硬くなっていた。
そして、予約表も同じように硬く、冷たく、
静まり返っていた。
◆ 12月の予約ゼロは、サロンの問題ではなく“心の湿度”の問題だと気づいた。
年末は誰もが忙しい。
バタバタして、疲れて、
「本当は癒されたいけど、それを言い出せない」
という、あの独特の心理が生まれる時期。
そんな時期に、
私の文章が“冷たく”なっていたら、
誰も反応しなくなるのは当然だった。
今日、一番怖かったのは
“予約がゼロ” ではなく、
そのゼロに 慣れかけていた自分 だった。
◆ 久しぶりに送った一通のメッセージが、すべてを教えてくれた。
夕方、サロンが閉まったあとの静けさに耐えられなくなり、
何ヶ月も連絡していなかったお客様に1通だけメッセージを送った。
内容は、これだけ。
「最近すごく寒いですが、お身体の調子はどうですか?
もし必要な時が来たら、いつでもお手伝いしますね。」
売り込みゼロ。
案内ゼロ。
ただの“ケアの一言”。
10分後、返事が来た。
「実は疲れがピークで…。
このメッセージを見て泣きそうになりました。
来週空いていますか?」
思わずスマホを持つ手が震えた。
売上の問題じゃない。
予約の問題でもない。
私が“心の温度”を取り戻した瞬間に、
相手の心も動いたのだ。
◆ 今日の気づきは残酷だ。けれど、美容の仕事をしている私たちには必要な気づきだ。
結論ではなく、本音として、
“自分を後回しにする人は、人の心にも鈍くなる。”
12月の空気は、ただの繁忙ではない。
感情が冷える月でもある。
そんな時期に、
自分のケアを後回しにしたまま
発信を続ければ──
言葉の温度が落ち、
投稿は薄くなり、
お客様は離れていく。
サロンの売上は、
技術ではなく、
“あなたの温度”で決まる。
◆ だから今日だけは、ひとつ質問させてほしい。
あなたが最後に、自分のケアを後回しにした日はいつですか?
その「たった1日の後回し」が、
実は
・言葉の質
・伝わり方
・お客様の反応
・リピート率
・売上
ぜんぶに影響しているかもしれない。
今日の私は、
その現実を、真正面から突きつけられた。
そしてそのおかげで、
ようやく“温度を取り戻す一言”が書けた気がする。
必要なのは完璧な文章でも、派手な発信でもない。
心の温度が戻った一言。
それだけで12月の動きは変わる。