予約ゼロの12月を変えるのは、セールじゃなく“棚卸しさせる文章”だった。

2025/12/22

カレンダーだけが12月に変わっても、
予約表はまるで冬眠しているみたいに静かだった。

その静けさを見つめていると、
部屋の温度が下がったわけでもないのに、
背中の方からスーッと冷たいものが流れてくる。

あの感じが、私は一番怖い。

「このまま今年が終わるの……?」
そんな声が、誰かに聞こえるくらい大きく胸の中で響いた。

だから私は“やってはいけないこと”をやった。
年末セールだ。
「お得ですよ」「今だけ◯%オフ」
そんな言葉を必死で書いた。

でも、反応はゼロだった。
むしろ、いつもより静かだった。

このとき初めて気づいた。
年末は“売られる”ことに、みんな疲れている。

■ 年末に売れないのは、文章が弱いんじゃない。「心が疲れているから」だった

12月、人はみんな内側へ潜る。
“今年の振り返り”という名の、静かな棚卸しが始まる。

・何を頑張った?
・どこで崩れた?
・誰を優先して、自分は何を後回しにした?
・心と体は、結局どれだけ無理を重ねた?

この棚卸しが始まっているときに、
「セールです!」と押し込まれると、
心は一気に固まる。

“ごめんなさい、今は考えられない…”

これが本音だ。

私はその本音に気づかず、
ずっと逆方向へ力いっぱい進んでいた。

■ 本当に怖いのは「見込み客が疲れていることに気づかない」ことだった

ある日、私は初めて文章の冒頭を変えた。

「今年、あなたが一番我慢したことはなんですか?」

この一文を送った数分後、
あれほど静かだったスマホに通知が鳴り始めた。

「自分の時間を全部家族に使ってしまって…」
「体が重いのに、見ないフリしてました」
「本当はケアしたかったんですけど、後回しで…」

涙ぐみながら読んだ。

一年分の“しんどさ”を誰にも言えずにいた人たちが、
この一文をきっかけに、心を開いてくれた。

そのとき私は理解した。

年末は“売る月”じゃない。
心をほどく月だったんだ、と。

■ “棚卸しさせる文章”は、売り込みゼロで行動を生む

私はいつも、年末の文章にこの3つの問いを入れるようにしている。

① 今年、あなたがいちばん後回しにしたことは?
② 見て見ぬふりをした心や体のサインは?
③ 年内にひとつ整えるなら、どこを優先しますか?

この問いを読んだ人は、
自分の中にある“行動理由”を自分で思い出す。

だから売り込みゼロでも、
「予約したい」と自然に言い出す。

行動のスイッチは、外側から押すものじゃない。
内側から、自分で押してもらうものだった。

■ 具体例:あるお客様の“ひとこと”が忘れられない

いつも無反応だった方から、
久しぶりに返ってきたメッセージがある。

「先生、今年は自分の心を放置しすぎて、もう限界です。
年内に一度ケアさせてください。」

私は震えた。

セールでは動かなかった人が
“たった一言の棚卸し”に、心ごと反応した。

こういう瞬間を何度も見るたび、
確信は強くなっていった。

■ 売れる人は、「商品」ではなく「心の未処理」を先に扱っている

あの頃の私は、
商品の説明から書き始めた。

でも今は順番が違う。

商品 → 心
ではなく、
心 → 商品

人間の行動は、説明では動かない。
“自分の痛みを言葉にできた瞬間”に動く。

文章の順番を変えただけで、
反応はまったく別物になった。

■ 年末の“静かな成功者”は、「寄り添う文章」を持っている

年末の見込み客は、
疲れていて、
自分に厳しくて、
今年をどう受け止めたらいいか迷っている。

そこで必要なのは、
強い言葉でも、安売りでもない。

ただひとつ。

「今年のあなたは、どうでしたか?」
と、そっと棚卸しを促す文章だけだった。

これが、
予約ゼロの12月を変えた“たった一つの鍵”だった。

プロフィール

黒岩倖光(くろいわ ゆきみつ)

テクノロジーセラピスト
⚫︎やっていること
AI・スマホ・タブレット・パソコン活用指導
WEBマーケティングコンサルティング
社長の頭に汗をかくマーケティング勉強会
個人商店・医院・サロン向けショート動画・ライブ配信支援
⚫︎こんな人に届けたい
アイデアはあるがどう伝えれば良いかわからない
良い商品を扱っているのに、なかなか売れない
人前に出て自分を売り込むのが苦手だ
儲けることに罪悪感があって行動ができない
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