売れる人だけが知っている。迷っている見込み客を“そっと背中押し”する3つの揺れ。
最近、DMを開くたびに感じることがある。
“返す直前で止まっている指”の、あの重たい気配。
押せば届くはずなのに、届かない。
ほんの一瞬の揺れで、見込み客は静かに離れてしまう。
昔の私は、その揺れの正体にまったく気づけていなかった。
だから勢いでメッセージを送り、言葉の強さで埋めようとして、
逆に相手を遠ざけてしまっていた。
でも、見込み客が離れていくのは、冷たいからでも、無関心だからでもない。
もっと静かで、そしてもっと怖い理由がある。
実は人が申込みボタンを押せない理由の9割は、
“あなたの商品”ではなく、“あなたの前で揺れている自分の心” にある。
その“揺れ”は、大きく3つに分かれる。
そして、この3つを扱えた瞬間、
DMの返信率は驚くほど変わる。
読者の心に火が灯るのを、手のひらで感じるようになった。
■揺れ①「私はどうせ続かない…」という自己否定の揺れ
この揺れは根深い。
本人ですら気づいていないことが多い。
“申込みたい気持ち”と
“どうせまた挫折する未来”が
同時に胸の中でぶつかって揺れている。
以前ある方に言われた言葉がある。
「私、何を始めても途中で折れるんです。だから怖いんです。」
この言葉を聞いた瞬間、胸の奥に冷たいものが走った。
人は、変わることに前向きになれないのではなく、
変われなかった自分をまた見るのが怖い のだ。
この揺れには、商品説明は逆効果。
必要なのはたった一言。
「今回は一人で頑張らなくていいですよ。」
この“責任を一緒に背負う温度”だけが、
自己否定の揺れを静かに止める。
■揺れ②「今決めて損したくない…」という恐怖の揺れ
12月の読者は、想像以上に“損失回避”に敏感だ。
年末のお金・予定・疲労・家族の事情…
すべてが重なる季節だからだ。
だから本当は興味があっても、こう揺れる。
「もっといいタイミングがあるかもしれない」
「今申し込んだら損するかも」
この揺れを無視して、
「今だけ◯%オフ!」と叫んでも、逆に引かれてしまう。
売れる人は、損得ではなく未来の後悔を軽く描く。
「1月に“やっぱりやっておけばよかった”と感じる未来だけは避けたいですよね。」
この一言は、押しているようで押していない。
揺れに名前を与えて、静かに整理するだけ。
それが、怖いほど刺さる。
■揺れ③「ここは安全な場所だろうか…」という警戒の揺れ
最後の揺れは、もっとも見落とされる。
読者は商品の魅力では動かない。
“安心”の量で動く。
なのに売れない人ほど、投稿をこう始めてしまう。
・商品の良さ
・自分の実績
・キャンペーン
・価格
・ビフォーアフター
どれも悪くない。
だけど 順番が致命的に間違っている。
揺れている相手に一番必要なのは、
説得でも値段でもなく、
「あなたの気持ちをわかっていますよ」という“安全確認”。
私は投稿の最初の一文を変えてから、
本当に返信が戻るようになった。
「最近、寒さで体が言うこときかなくなっていませんか?」
「気づいたら、自分のケアが一番後回しになりますよね。」
この“生活の温度”を感じる一文こそが、
どんな商品説明よりも強い。
人は、安心をくれる人の言葉だけを最後まで読む。
■3つの揺れを整えられる人だけが、迷っている見込み客の背中を押せる
強い言葉はいらない。
売り込みはいらない。
押す必要も、無理に説得する必要もない。
必要なのは、
相手が揺れているポイントを、先に言語化してあげることだけ。
すると読者はこう思う。
「なんで私の心の中がわかるんですか?」
「この人なら大丈夫かもしれない。」
その瞬間、揺れは止まる。
迷いが静まり、
心が前に進む準備が整う。
私は今も毎日、自分自身に問いかけている。
“今日の投稿は、揺れている人の灯りになれているだろうか?”
もし、どこかで迷っている読者がいるなら、
あなたの一文が、その人の未来の分岐点になるかもしれない。
その責任の重さが、今日も私を文章の前に座らせる。