「今年の疲れ、今年のうちに」──行動を促す“共感の入口”

2025/12/26

気づけば今日も、受付画面の“白いカレンダー”を見つめていた。
予約欄に何も書かれていない12月のページは、
まるで冷たい風が吹き抜けていくみたいで、胸がざわついた。

 

通知は来ない。
メッセージは静まり返ったまま。
サロンの空気が薄くなったような感覚になる。

でも、そんな日ほど私は思い出す。
年末に来たお客様が、ぽつりと言ったあの一言を。

「今年の疲れ、今年のうちに取りたいんですよね。」

あの一言が、私の“集客の常識”をひっくり返した。

■ 人は12月、“自分のことだけは後回しにしたくない”

人が動く理由って、必ずしも“欲しいから”じゃない。
12月だけは違う。

・仕事が終わらない
・家族の予定で埋まっていく
・目標達成できず焦っている
・気温も気持ちも下がっている

そんな中で、なぜか “自分を整えたい欲”だけが強くなる。

あのときのお客様も、そうだった。

「年内にもう一回、ちゃんとリセットしておきたいんですよね」

その瞬間、私は気づいた。

人が動くのは“商品”ではなく、“安心”だ。

■ なのに、私はずっと商品から話していた

焦ると、人は“売り込み臭い言葉”しか言えなくなる。

「空きあります」
「予約取れます」
「年内ラストです」

私はずっとこれを繰り返していた。
でも、それでは誰の心にも触れなかった。

むしろ疲れきった読者からすれば、

“自分の状況をわかってくれない人の言葉”

に見えてしまう。

それを知ったとき、全身がゾッとした。

■ 動かすのは、「あなたは大丈夫ですよ」という安心

12月の読者が求めているのは、
“商品説明”でも“値下げ”でもない。

求めているのはたった一言。

「あなたの疲れは、今年のうちに置いていっていいですよ」

これだけで、心は動く。
なぜならその一言は“読者の本音”の代弁だからだ。

実際、私はこのフレーズを文章に入れた日の反応を今も覚えている。

トーク画面の下に、
ぽん、と丸い通知が灯った。

「今年、すごく疲れました…予約できますか?」

私は震えた。
売り込んでいないのに、人が動いた。

■ 「共感の入口」がある文章は、読者が自分から動く

私は文章の構成を全部変えた。

【以前】

・商品説明
・施術効果
・キャンペーン案内
→ 全然読まれない

【今】

・読者の代弁(入口)
・年末心理の解説
・“今年の疲れ”の可視化
・そっと背中を押す一言
→ 反応が増える

入口だけ変えただけで、読まれ方が変わる。

入口とはつまり、

「読者自身の1ページ目」

だ。

■ ここからは、具体的に「使える入口」を渡したい

アルゴリズムが言うように、保存される文章には“具体例”が必要だ。
なのでここで、実際に反応の良かったフレーズを共有しておく。

▶ ①「今年の疲れ、今年のうちにゆるめませんか?」

最も反応が高い“安心ワード”。
押しつけがなく、読者が自分のタイミングで動ける。

▶ ②「頑張ってきた分だけ、肩に重さが残っていませんか?」

“あなたの努力を否定しない”文章として強い。

▶ ③「このまま年越しすると、もっと体がしんどくなる人が多いんです。」

専門家としての“優しい危機感”が伝わる。

▶ ④「年末って、自分のケアだけは後回しにしたくないですよね。」

“あるある”共感で読者が一気に自分ごと化する。

▶ ⑤「今年の自分に、最後のご褒美あげませんか?」

行動を促すけれど、売り込みにならない魔法の一行。

■ 最後に、あなた自身への問いをひとつ

「あなたの読者は、今年どんな疲れを抱えていましたか?」

この質問に答えられる人は、
12月の文章で必ず結果を出す。

なぜなら、
見込み客の“心の声”を拾える人だけが、
心を動かす文章を書けるからだ。

入口を優しく整えるだけで、
予約ゼロの12月は変わる。

今年最後の文章は、
どうか“安心の一行”から始めてください。

プロフィール

黒岩倖光(くろいわ ゆきみつ)

テクノロジーセラピスト
⚫︎やっていること
AI・スマホ・タブレット・パソコン活用指導
WEBマーケティングコンサルティング
社長の頭に汗をかくマーケティング勉強会
個人商店・医院・サロン向けショート動画・ライブ配信支援
⚫︎こんな人に届けたい
アイデアはあるがどう伝えれば良いかわからない
良い商品を扱っているのに、なかなか売れない
人前に出て自分を売り込むのが苦手だ
儲けることに罪悪感があって行動ができない
Copyright (C) アイティコンサル光 All Rights Reserved.