「LINE交換しても、返信が面倒くさい」その気持ち、大正解です。だからこそ、人間がやってはいけないのです。感情を持たない「自動化の配線」だけが、あなたを労働地獄から解放する理由。
深夜23時。 すべての診療を終え、カルテの整理も終わらせて、ようやく自宅のリビングのソファに泥のように沈み込む。
身体は鉛のように重い。 一日中、立ちっぱなしで腰をかがめ、患者さんの体重を支え、筋肉の硬結を探り続けた指先は、微かに震えている。 正直、もう指一本動かしたくない。 ただ目を閉じて、この耳鳴りのような疲労が去るのを待ちたい。
その時だ。 テーブルの上に置いたスマホが、無慈悲に光る。 「ピコン!」
LINEの通知だ。 患者さんからだろうか。明日の予約変更か、それとも施術後の痛みの相談か。
その瞬間、あなたの胸の奥に湧き上がる感情は、何だろうか。 「ありがたい」という感謝だろうか。 それとも、 「……勘弁してくれ」 という、誰にも言えない本音だろうか。
もし後者だとしても、自分を責めないでほしい。 その「面倒くさい」という感情は、経営者として失格なのではない。 生物として、あまりにも正常な反応だからだ。
私たちは、「生身の人間」だ。 電池切れもすれば、機嫌が悪い時もある。 朝から晩まで肉体を酷使し、患者さんのネガティブなエネルギーを受け止めた上で、業務時間外にまで及ぶ「マメな連絡」なんて、できるわけがない。 キャパシティを超えているのだ。
しかし、多くのコンサルタントは無責任にこう言う。 「患者さんとは密にコミュニケーションを取りましょう」 「LINEで個別にフォローして、信頼関係を築きましょう」
私は、この言葉が嫌いだ。 これは、現場を知らない人間の机上の空論であり、真面目な治療家を過労死させるための呪いの言葉だ。
なぜなら、この「人力でのフォロー」には、致命的な欠陥がある。 それは、「あなたが倒れたら、すべてが終わる」という点だ。
想像してみてほしい。 ある朝、目が覚めると、高熱で起き上がれない自分を。 その恐怖の中で、スマホだけが枕元で鳴り続ける。 「先生、予約はどうなりますか?」 「今日は休みですか?」 「返信ください」
うなされながら、一人ひとりに「申し訳ありません」と返信を打ち続けられるだろうか? おそらく、無理だ。 未読スルーが増えるたびに、信頼は音を立てて崩れ落ちていく。
「自分が働かないと回らない」という仕組みは、経営ではない。 それは、終わりのない労働地獄だ。
だからこそ、私は声を大にして言いたい。 LINEの返信なんて、人間がやるものではない、と。
そこで必要になるのが、「感情を持たない自動化の配線」だ。
冷たい言い方に聞こえるだろうか? だが、聞いてほしい。システムには「疲れ」がない。 システムには「機嫌の波」がない。 システムには、睡眠時間も、休日の家族サービスも必要ない。
あなたが泥のように眠っている深夜2時でも、システムは、不安で眠れない患者さんに「痛みが強い時の対処法」の動画を、一番優しい言葉と共に届けることができる。 あなたが家族と旅行に行っている間も、システムは、来院から3日経った患者さんに「揉み返しは来ていませんか?」と気遣うメッセージを、完璧なタイミングで送ることができる。
これは「手抜き」ではない。 疲れてイライラした人間が打つ、義務的な「はい、お大事に」という返信よりも。 元気な時に、情熱を込めて作り込んだ動画が、最高のタイミングで届くほうが、よっぽど患者さんへの「愛」があるとは思わないか?
そして、ここが最も重要な点だが、 この「配線」を敷くのに、あなたの手を使う必要はない。
あなたは、治療家だ。 配線工事士ではない。 慣れないパソコンに向かって、シナリオを考えたり、複雑な設定をしたりして、貴重な指先を疲弊させる必要は一切ない。
あなたはただ、私が用意した台本を、スマホに向かって数分間読むだけでいい。 「患者さんへの想い」や「プロとしてのアドバイス」を、カメラの前で語ってくれればいい。 その「魂(コンテンツ)」さえ預けてくれれば、あとは私がやる。 編集も、設定も、どのタイミングでどのメッセージを送るかという心理計算も、すべて私が裏側で繋ぎ合わせる。
想像してほしい。 一日の施術を終え、疲れ果てて家に帰った夜。 スマホを見る。 再び、「ピコン!」と通知が来る。
けれど、今度のそれは「返信を催促する通知」ではない。 「システムが、あなたの代わりに患者さんの不安を解消し、次の予約を確定させました」という報告の通知だ。
あなたは、その通知を見て、ニヤリと笑ってスマホを伏せればいい。 そして、何の心配もなく、温かい布団に入って眠ればいいのだ。
「返信が面倒くさい」 その直感に従ってほしい。 その「面倒くさい」という感情こそが、あなたが次のステージ――労働者から、真の経営者へと進化するための、最初の合図なのだから。
人間がやるべきは、目の前の患者さんを癒やすこと。 それ以外のすべては、感情を持たない「もう一人の優秀なあなた」に任せてしまえばいい。
そのためのスイッチは、ここにある。 押すか、押さないか。 それだけで、あなたの睡眠の質は劇的に変わるはずだ。